各クラスの学習内容
<秋を題材にした俳句を詠んだクラス4の子供たち>
継承日本語クラス
「継承日本語」とは、日本語以外の生活言語圏で育つ日本にルーツを持つ子供たちが、親から受け継ぎ、習得する日本語のことです。日本で勉強する国語や、外国語としての日本語とも異なります。本校のクラスの中では文法や文字、漢字といった言葉だけでなく、「日本語で」文化、歴史、社会、理科、環境、芸術などに触れ、アイデンティティとしての日本語を確立し、様々な分野学習を日本語を使って行う過程で、言語を習得し、コミュニケーションスキルを磨き、新たな興味を探求しながら、「私と日本のつながり」を発見できるよう支援します。継承日本語部は日本語レベル別に4つのクラスを設置しています。それぞれのクラスの目標は以下をご覧ください。
継承日本語部親子クラス(対象年齢~4歳)
親子クラスは、保護者と子どもが一緒に参加するクラスです。日本語の絵本を読んだり、歌や音楽、工作などを通して楽しみながら日本の伝統的な文化や習慣を学び、文化的視野を広げていきます。また親と子供が一緒にクラスに参加することで、子供の日本語への興味を引き立て、家庭 での日本語学習を促進、サポートします。先生や友達と日本語で心を通わせる手段として日本語を使い、身近なものを表したひらがなやカタカナに親しみ、日本語を使う楽しさを引き立てる環境を提供することを目標としています。
継承日本語部クラス1(対象年齢5歳~8歳)
クラス1は日本語の基礎から学ぶ会話を中心としたクラスです。日常生活に必 要な言葉やフレーズを毎回の授業で学び、自分のしたいことや人に伝えたいことなどを自分なりの言葉で表現できるようにし、また表現できる楽しさを味わうことを目標とします。先生や友達と日本語で心を通わせる手段として日本語を使い、身近なものを表したひらがなやカタカナに親しみ、文字を書いて人に伝える楽しみも味わいます。絵本を読んだり、歌や音楽、工作などを通して楽しみながら日本の伝統的な文化や習慣を学び、文化的視野を広げていきます。
継承日本語部クラス2(対象年齢7歳~12歳)
クラス2では、ひらがな/カタカナの読み書きの定着とともに、漢字の学習も始めます。漢字も使いながら、簡単な構成を考えて文章を書く練習もします。また、人との会話を念頭に置き、自分の気持ちや考えを順序よくまとめ、表現力豊かに話ができ、相手に応じて丁寧な言葉も使えるような能力を養います。曜日や日にち、時間など日常生活に欠かせない言葉や概念を定着させると共に、神話や伝承なども取り入れ、より幅広い分野に学習内容を広げ、好奇心や探求心を高めながら様々な知識を得る楽しみを教えます。
継承日本語部クラス3 (対象年齢10歳~15歳)
クラス3は、調べた事などについて工夫をしながら、筋道を立てて話す 能力、話の中心に気をつけて聞く能力、進行に沿って話し合う能力を身につけることを目標とします。自分の経験と事柄を結びつけて考える力、話の要点を抜き出して自分の言葉でまとめる読解力や段落の構成を考えて作文を書く文章力を養うために、聞く、話す、読む、書くの4技術を総合的に磨いていきます。様々な分野の教材を取り込むことによって、楽しみながら読み書きの能力を養うとともに、自ら日本語で学習をしようとする態度の育成を目指します。また日本特有の季節の行事などを積極的に取り込み、日本文化の理解を深めます。
継承日本語部クラス4(対象年齢12歳~18歳)
クラス4は小学校高学年以上のレベルとし、より高度な言語能力が求められます。漢字の学習では読み書にに加え、漢字辞書を導入し、部首のつくりや構成を理解し、自力で辞書を引き活用できるようにします。また新聞記事などを取り入れ、事柄の順序立てや要点を的確にとらえ、事柄の相互関係を念頭に置きながら、創意工夫を凝らして表現できる力を養います。取材を通して、新聞記事を書いたり、小さい子のために絵本を創作して読み聞かせをするなど、楽しみながら自己表現力と独創性の豊かさを育む活動をします。同時に日本文化をより深く理解するために、時事問題や短歌や俳句、ことわざ、慣用句なども取り入れていきます。